左のビデオは、上図のグラフで、L1000キャリヤに10Kgw搭載の条件で
  ・供給圧力 ≒ 0.03MPa
  ・流量    ≒ 100SLPM
の時のテストの状況を示したものです。(圧力センサーの表示値が
0.043MPaですが、上図のグラフではセンサーのゼロ点補正(大気圧の
表示値0.013MPaを引く)を行っています。)
このときのエア源の正味消費エネルギーは約40Wです。

ビデオに示すように、荷重10Kgwの場合は圧力0.03MPa、流量100SLPMで
完全に浮上しています。これ以上圧力を上げ流量を増やしても浮上量が
増えるだけで、実用的には無駄なエネルギー消費になります。
勿論、荷重が重くなれば、それに応じて浮上させるための圧力を上げる
必要があり、上図のグラフに示すように、流量も増加します。

空圧源について

1.はじめに
 エア浮上搬送装置は浮上用の静圧軸受に多孔質素材を用いていますので、浮上用エア源は潤滑油を含まない完全ドライタイプであることが
必要です。また、クリーンな環境でお使いになる場合には、クリーン度に対応したエアフィルターをエア源に取り付けてください。
2.空圧源の省エネ
 エア浮上搬送装置は摩擦損失が殆ど無いので駆動用のエネルギー消費は少ないですが、浮上用エアが必要であるため、浮上用エア源の
消費エネルギーがプラスされます。このためNACTSでは走路をモジュール化し、搬送用キャリヤが走行している走路ユニットにのみエアを
供給することによりエアの無駄な消費を防ぎ、トータルの消費エネルギーを抑え、省エネ性を高めています。
3.NACTS用の空圧源に必要な容量
 エア浮上搬送システム(NACTS)の規模が大きい場合には、空圧源の容量は同時に走行している搬送用キャリヤの台数、即ち、
エアを供給する必要がある走路ユニットの数により異なります。同時にエアを供給する必要がある走路ユニットの数は、キャリヤが走路ユニットの
境界を通過するタイミングに合せてその時だけ(常時の必要はありません)前後の走路ユニットにエアを供給する必要があるので、安全を見て
凡そ(キャリヤの台数)×(1.5〜2)と考えれば十分でしょう。(但し、搬送システムの詳細な稼動条件に基づいた検討が必要です。)
なお、長さ1m及び0.5mの標準直線走路ユニットが消費するエア量については、下図のグラフをご参考にして下さい。

 また、同時にエアを供給する走路ユニットの数が同じでも、走路ユニット(モジュール)の長さが短ければエアの消費量も減ります。
標準直線走路ユニットには、長さが1mのL1000と、0.5mのL500がありますので、もしお客様のご使用条件が合えば、L500を採用することで
エア消費量を更に少なくすることが可能です。(但し、各走路ユニットに付随するエア切り換え弁の数量も2倍になることにご注意下さい。)

 また、通常は搬送用キャリヤの停止中は、その走路ユニットへのエアの供給も停止します。従って実エア消費量は常に変動しますので、
空圧源には必ず十分な容量のリザーバーを設けなければなりません。空圧源の容量は、最終的にリザーバーで平均化されたエア消費量に
安全率を掛けて決定されます。

 この様に、NACTS用の空圧源の容量は、搬送システムの規模及び搬送用キャリヤの稼働率を十分考慮して、
トータルの搬送コストが最小になるように検討することが重要です。

 下図に、参考資料として、2本のL1000、及び2本のL500を用いた標準直線走路ユニット(キャリヤ搬送用)の、エア消費量、
及び正味消費エネルギーを測定した結果を示します。正味消費エネルギーとは、走路ユニットに供給されたエア圧力と流量から
換算した値です。(エア源のワット数ではありません。)
グラフの凡例で、”L1000 or L500ユニット”とはユニット単体、”キャリヤのみ”とはユニットに標準搬送用キャリヤを載せた状態、”10Kgw搭載”とは
標準搬送用キャリヤに2L飲料水ペットボトルを5本搭載した状態のことです。10Kgw搭載テストの状況をビデオでご覧下さい。